音楽表現を考える — Wendepunkt

こんにちは🌞

数年前のドイツ留学中に得たことの中で、

今も色濃く残り続ける考えを、ここで時々紹介しようかなと思い、今回は

“Wendepunkt”

について、書いてみようと思います✍️

“Wendepunkt (ヴェンデプンクト)”とは、独和辞書を引くと「転換期、転回点」と出てきます。

この言葉は、修士時代お世話になっていた室内楽の先生が毎度言っていた言葉です。
最初は、先生のスイス訛りのドイツ語のせいもあり、中々理解できず「?」となっていましたが、あまりに言われるので覚えました。。

知らない単語だったのに覚えちゃうくらい言われた “Wendepunkut”は、

音楽の中で「転換ポイント」を常に考える、という事だと理解しています。

例えば、こちらの楽譜。

練習曲集「HINKE」より、”Legato”という部分から、第7番 二長調です。Hinkeさん、お借りします🙏

吹いてみると、私好みのシャープ調のかわいい曲…✨と感じますが、
その「キレイでかわいい」と感じているこの曲の雰囲気を、聞いている人にも感じてもらって、この曲の良さを共有したいのです。

そこで、音楽を音の並びのままにせず、生きたものにするためにまず考えるのが「フレーズの中のどこに”Wendepunkt”がくるのか」ということ。

フレーズの中のどこに、一番聴かせたい山場がくるのか

そのポイントがWendepunktです。

この曲を今の私が吹くなら--

こんな風に転換ポイントを考えて吹きたいかな、と。それに合わせて強弱を考えてみました。

赤文字のⓌはWendepunkt、その周辺も大切なので赤くしました。
青の記載は、Ⓦに合わせてつけてみた強弱や考えです。下のレの音でPianoなんで嫌だなあ…笑

イメージは、春のお昼過ぎの窓辺での日向ぼっこ、みたいな空気感。ちょっと眠いかも…ホットカフェオレでもいれるか~というのを窓辺でしてる、みたいな☕
フレーズは、ざっくりと休符が出てくるところでフレーズを切って良さそうです。最後3小節だけ、休符がありますがつなげたい気持ちで、他と違うフレーズの取り方をしてみました。落ち着いた雰囲気にしたくて長めに音楽を区切ります。(=フレーズを決めていくこと。独:phrasieren)

雰囲気とフレーズが決まってきたところで、Wendepunktを考えていきます。

冒頭のフレーズの出だしは大きくなりすぎず、Wendepunktに向かって、優しくcrescendoとdiminuendoを作り暖かな雰囲気に。
2つ目のフレーズは、長く、そして少しずつWendepunktまで登っていくので、やりすぎずじわじわとcresc.していく、でも最後が情熱的にはならずに、ふわりと軽く終わる。

などなど…… いろいろありますが、
結局この曲で一番伝えたい大事なポイントは3段目前半のWendepunkt周辺と感じるので、そのWendepunkt周辺が一番赤色の表記範囲が広く、forte部分も長いです。

Wendepunktを考えるだけで、ただの音符の並びだったこの曲の理解度がぐっとあがります。理解度が上がるだけで非常に演奏しやすいのと、聞いている側にもその理解した内容が生き生きと伝わりやすくなると感じます。

Wendepunktを考える際のポイントは、

その1:まずフレーズを考えて区切ること。

その2:必ず試してみること。吹いてみると意外としっくりこない、自分に合わない、ということもあります。

そして、大切なのは「基本的に自由でいい」ということです🤔
時々、「クラシック音楽は演奏内容や楽譜が全てかっちり決まっていて、自由さがない」と感じている方がいますが、ずっとクラシカルな音楽を続けてきた身としては、世間が想像するより自由度が高いと思っています。楽譜の内容を無視する訳ではなく、音符や記載されている言葉をきちんと読み取ったうえで、表現のさじ加減を自分で決めていく、という感覚に近いかなと。
今紹介した内容も、明日の私は別の場所にWendepunktを置いて吹きたいかもしれません。気まぐれなので…😌 そのくらい自由に音楽表現を考えることが大切です。

普段のレッスンでは、ある程度オーボエを鳴らすことに慣れて指が覚えられた段階で、このWendepunktを考える事がほとんどです。

吹奏楽コンクールを控えているからWendepunktを常に考える、

もしくは、一人で吹くだけの趣味だから音が鳴ればいいのでWendepunktは扱わない…というような、
目的別に「Wendepunktを考えるかどうか」の線引きはしていません。(もちろんその扱う度合いは、個々のレベルによって変えています。)

これから吹くメロディーに対して、アイディア無しでただ音を吹く事だけになってしまうことは私自身が避けたいので、
その方が演奏する特別感が少しでも加わるように、最終的にはその生徒さん自身からいろんなアイディアがでてくるようになることが目標かなと思います。

まず「Wendepunktがどこなのか」。
大なり小なり絶対あるので、ご自身で考えてみるとより楽器演奏が楽しくなるかもしれませんね😊

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