こんにちは☁️
リサイタルで演奏する曲の紹介、今回はセクエンツァです。
セクエンツァ VII
Sequenza Ⅶ
L. ベリオ / Luciano Berio (1925-2003 Lived in Italy)
ロマン派の時代が終わり、音楽家たちは「次は何をしたら、珍しい・新しいと思ってもらえるのか」を模索し、
ついには、これまでの常識を変えていく、
音程がある、和音がある、コード進行がある、という音楽の”あたりまえ”まで「一旦崩してみるか!」となった訳です。
そんな「現代音楽の時代」の古典的な代表作として、ベリオの「セクエンツァ」シリーズは挙げられる作品だと思います。
ルチアーノ・ベリオは第一次世界大戦後のイタリアに生まれました。
戦争で手を負傷したため演奏家は断念しますが、戦後は作曲を学びます。
今回演奏する「セクエンツァ」というシリーズは、彼が亡くなるまで書かれた作品で、
彼が作曲したものは全14曲、別の楽器用に既存のセクエンツァを編曲したものが数曲あります。
第一番のフルート、第三番には女声、オーボエは第七番、その他にもファゴットやコントラバス、クラリネットなど、様々な楽器の「ソロ曲」として、作品を書きました。
一般的なメロディは、音程やリズムという音楽の要素で成り立ちますが、
今回演奏する、オーボエのセクエンツァは、「シ」の音程を変えずに、音色を暗くしたり明るくしたりするとメロディになるのでは、という曲です。
音色が変わるだけなのに、人が単語を話しているみたいに不思議と音楽に聞こえてくるのです。
曲中に出てくる「シ」の音だけでもなんと7種類…!もありますが、
もちろん一曲通して「シ」しか出てこない訳ではなく、「真ん中のシ」の音から広がる様々な音で、このSequenza VIIが構成されています。
現代曲は、日本ではあまり馴染みがないと思います。
日本の音大にいても、こういう曲を全員きちんと習う訳ではありません。そのためか、聴く機会も少ないですし、楽器に馴染みがない方は聴く事に抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし演奏している身としては、いわゆる「聞きやすい」曲と同じように、この曲もメロディックな部分をたくさん感じます。
これは、恐らくベリオのイタリア人らしい歌心がたくさん音楽に反映されているからなのではないか、と個人的に思っています。
聞き馴染みがない方は、
どこに自分の「聞きやすい」と思える瞬間があるのか、
この音初めて聞いたけど今すごくきれいだと思った!など、
たくさん発見をしながら聞くことが、この曲と仲良くなれる近道です。
…でもこれは現代曲の聴き方に限らないんですけど、ね😉
ドイツで演奏した動画をYoutubeに載せています。
途中で鐘の音が鳴って一旦集中が切れているのと、
先生が私の演奏を聴きすぎて、最後のシを止め忘れています。
中々こんな本番はなくて、良い思い出です😌
【下山音留波 オーボエリサイタル Oboenabend(オーボエンアーベント)ーオーボエの夕べー】
2024年11月10日(日)
開場16:45 開演17:00
会場:湘南鵠沼サロンコンサートホール レスプリ・フランセ
入場料:¥3,000(全席自由席、要予約)
残りはクープランです!💃